どんな機種
山佐「鉄拳R」、型式名は「テッケンR」。2004年5月に登場し、全国稼働は6月上旬から始まった。4号機のA400ストック機で、当時の通称なら4.5号機。25パイ、3枚掛け専用、7ラインである。
山佐とナムコが共同開発し、12.2インチのワイド液晶へPlayStation 2系の描画技術まで持ち込んだ。風間仁、リン・シャオユウ、キングの3人から選べる。いまや液晶の大きさで驚く時代ではないが、2004年にこれは完全に「筐体へテレビを増築いたしましたので、どうぞ負けてくださいませ」の圧だった。
中身は、内部BIG・REGを各255個まで貯めるストック機。通常解除、内部ボーナス成立時、チェリー、純ハズレで放出し、連チャンの主役として鉄拳チャンス(TC)と鉄拳ラッシュ(TR)を持つ。ただし通常解除RTに天井はない。巨大液晶で客を呼び、天井は置き忘れたらしい。
内部BIG・REGと実質出現率
設定1
- 実質BIG
- 1/299.0
- 実質REG
- 1/533.0
- 内部BIG
- 1/176
- 内部REG
- 1/176
- シミュレート機械割
- 97.69%
- メーカー発表値
- 97.2%
設定2
- 実質BIG
- 1/289.5
- 実質REG
- 1/516.1
- 内部BIG
- 1/174
- 内部REG
- 1/174
- シミュレート機械割
- 99.04%
- メーカー発表値
- 98.8%
設定3
- 実質BIG
- 1/281.6
- 実質REG
- 1/502.0
- 内部BIG
- 1/172
- 内部REG
- 1/172
- シミュレート機械割
- 100.49%
- メーカー発表値
- 100.2%
設定4
- 実質BIG
- 1/270.1
- 実質REG
- 1/481.4
- 内部BIG
- 1/170
- 内部REG
- 1/170
- シミュレート機械割
- 102.39%
- メーカー発表値
- 102.2%
設定5
- 実質BIG
- 1/255.4
- 実質REG
- 1/455.2
- 内部BIG
- 1/170
- 内部REG
- 1/170
- シミュレート機械割
- 105.29%
- メーカー発表値
- 105.2%
設定6
- 実質BIG
- 1/242.8
- 実質REG
- 1/432.9
- 内部BIG
- 1/170
- 内部REG
- 1/170
- シミュレート機械割
- 107.30%
- メーカー発表値
- 108.2%
内部BIGと内部REGは同じ確率で成立し、設定1から順に各1/176、1/174、1/172、設定4~6は各1/170。成立したボーナスはBIG・REGそれぞれ最大255個までストックする。放出時の振り分けはBIG64.06%、REG35.94%である。
ボーナス放出の仕組み
通常時の放出契機は五つ。
- 毎ゲームの通常解除:設定1・2は1/468.11、設定3・4は1/455.11、設定5は1/409.60、設定6は1/372.36
- 内部ボーナス成立時:9.3%で解除。実質1/944~1/914
- チェリー成立時:4.7%で解除。実質1/5461.33
- 純ハズレ:1/16384で成立し、必ず解除
- プレミアムチャンス目:実質1/45100~1/43690。ボーナス放出とTR5G以上
通常解除と内部ボーナス成立時解除は6~10Gの前兆へ入り、6~9Gが各6.25%、10Gが75%。平均9.375G。チェリーと純ハズレは次ゲームからボーナスを揃えられる。
チャンス目には二つの仕事がある。内部ボーナス成立時解除を知らせるチャンス目と、TCチャンスモードのゲーム数を獲得する抽選役としてのチャンス目。チャンス目が出たから必ずボーナス抽選なわけでもなければ、全部がただのTC抽選なわけでもない。どっちも同時に行うわけでもない。ひとつの出目へ部署を二つ入れたせいで、当時の解析誌まで頭を沸騰させた機械である。この頃のYAMASA、こういう仕事が多すぎますね。ニューパルとピカ吾郎だけ作っとけばいい。
ストックが切れていれば、通常解除や小役解除に当たっても放出するBIG・REGがない。内部ボーナス成立で初めてストックが作られ、その成立時解除を通せば放出へ進む。内部BIGとREGの合算成立はおよそ1/88なので補充自体は比較的早いが、稼働直後やストック消去後の実質出現率は安定しない。ストック数を外から直接読める機能はない。
TCチャンスモードの低確・高確
鉄拳Rには、TCへ入る前段として「TCチャンスモード」のゲーム数を獲得しやすい低確・高確がある。ボーナス終了後は必ず高確ゲーム数を持ち、設定変更後は25%で高確を持つ。
TC・TCチャンスモード・TR以外のBIG後4区分
TC・TCチャンスモード・TR以外のREG後5区分
TC・TCチャンスモード・TRからのBIG/REG後5区分
設定変更後4区分
TC・TCチャンスモード・TR以外から出たBIG後は51~151G、REG後は26~151Gの高確。TC・TCチャンスモード・TRから出たボーナス後はBIG・REG共通で26Gが75%となる。高確ゲーム数は「そのゲームでボーナスが出るRT」ではなく、小役からTCチャンスモードを獲得しやすい時間だ。ここを天井ゾーンのように読むと、何も起きずに敬礼して帰宅することになる。
低確・高確中は、リプレイ、ベル、チェリー、スイカ、チャンス目でTCチャンスモード移行を抽選する。抽選を通した後に継続ゲーム数を振り分け、リプレイやベルでは0Gもある。獲得したゲーム数は合算して持てる。
設定1
TCチャンスモード実質突入
- 低確中
- 1/1242
- 高確中
- 1/310
- TC・潜伏・TR中
- 1/1088
チャンス目
- 出現
- 1/196.1
- 低確の移行抽選
- 1/28.44
- 高確の移行抽選
- 1/3.94
- TC等の上乗せ抽選
- 1/7.76
設定2
TCチャンスモード実質突入
- 低確中
- 1/1127
- 高確中
- 1/308
- TC・潜伏・TR中
- 1/802
チャンス目
- 出現
- 1/194
- 低確の移行抽選
- 1/19.69
- 高確の移行抽選
- 1/3.94
- TC等の上乗せ抽選
- 1/5.22
設定3
TCチャンスモード実質突入
- 低確中
- 1/1235
- 高確中
- 1/286
- TC・潜伏・TR中
- 1/1072
チャンス目
- 出現
- 1/192
- 低確の移行抽選
- 1/28.44
- 高確の移行抽選
- 1/3.32
- TC等の上乗せ抽選
- 1/7.76
設定4
TCチャンスモード実質突入
- 低確中
- 1/1119
- 高確中
- 1/284
- TC・潜伏・TR中
- 1/741
チャンス目
- 出現
- 1/190
- 低確の移行抽選
- 1/19.69
- 高確の移行抽選
- 1/3.32
- TC等の上乗せ抽選
- 1/4.83
設定5
TCチャンスモード実質突入
- 低確中
- 1/1232
- 高確中
- 1/275
- TC・潜伏・TR中
- 1/1064
チャンス目
- 出現
- 1/190
- 低確の移行抽選
- 1/28.44
- 高確の移行抽選
- 1/3.08
- TC等の上乗せ抽選
- 1/7.76
設定6
TCチャンスモード実質突入
- 低確中
- 1/1002
- 高確中
- 1/274
- TC・潜伏・TR中
- 1/1064
チャンス目
- 出現
- 1/190
- 低確の移行抽選
- 1/14.22
- 高確の移行抽選
- 1/3.08
- TC等の上乗せ抽選
- 1/7.76
低確中のチャンス目は、奇数設定が1/28.44、設定2・4が1/19.69、設定6が1/14.22で移行抽選。偶数優遇が露骨で、設定6はさらに一段強い。高確中は設定1・2が1/3.94、設定3・4が1/3.32、設定5・6が1/3.08まで上がる。
トータル突入率は小役出現率、契機別移行率、0G振り分けまで含めた実質値。高確中なら約1/310~1/274、低確中は約1/1242~1/1002である。高確が偉い。液晶が大きいことより、こちらを大きく書いてほしかった。
全契機・全設定のTCチャンスモードG数
低確中のTCチャンスモードG数全契機
リプレイ
ベル
チェリー
スイカ
チャンス目・全設定設定差あり
設定1
設定2
設定3
設定4
設定5
設定6
高確中のTCチャンスモードG数全契機
リプレイ
ベル
チェリー
スイカ
チャンス目・全設定設定差あり
設定1
設定2
設定3
設定4
設定5
設定6
TC・潜伏・TR中のTCチャンスモードG数全契機
リプレイ
ベル
チェリー
スイカ
チャンス目・全設定設定差あり
設定1
設定2
設定3
設定4
設定5
設定6
「0G」は移行抽選を通してもTCチャンスモードを獲得しない振り分け。「255–382G」は範囲内の個別配分が不明なため範囲のまま表示。
低確でも高確でも、薄い所には255~382Gの長い振り分けがある。さらにTC中・潜伏中・TR中も小役でゲーム数を上乗せする。チャンス目の上乗せは設定5が強い場面もあり、単純に設定6ほど長いという表ではない。
鉄拳チャンス
TCチャンスモードを持っている間は、毎ゲーム1/10.24でTCを抽選。当選すると残りモードゲーム数のカウントを止め、潜伏へ移る。潜伏とTCを消化しても、残っていたTCチャンスモードへ戻れるため、TCが続けて出てくる。
TC潜伏
平均 19.92G
鉄拳チャンス継続
10~19G
潜伏は10~40G、平均19.92G。TC本体は10~19Gで、毎ゲーム1/11.11でボーナスを放出する。公表された放出期待度は約75%。TC中に通常解除へ当たった場合は、6~10Gの前兆へ解除時点のTC残りゲーム数を加える。
つまりTCランプが消えた瞬間だけ見て終わりではない。潜伏、残りTCチャンスモード、加算された前兆が後ろにいる。しかも各状態でゲーム数の上乗せもしている。親切そうなランプを付けてから、内部で会議を七つ開くタイプの親切です。
鉄拳ラッシュ
TRは最大10Gの超高確率放出状態。1Gごとに1/1.11でボーナスを放出し、前兆中はTRゲーム数を減らさない。初回ボーナスの前兆は6~10G、2回目以降は2~7G。残りTRがある限り、クレジット内のボーナス連打を狙える。
通常時の小役・チャンス目各役で1/256抽選後
リプレイ
ベル
チェリー
スイカ
チャンス目
プレミアムチャンス目
BIG中強ハズレ1/7516.7
通常・TC潜伏中
TC中
TR中
JACハズレ1/16384
通常・TC潜伏中
TC中
TR中
通常時はリプレイ、ベル、チェリー、スイカ、チャンス目成立時にまず1/256でTR抽選し、さらに0Gを含むゲーム数を決める。主役はチャンス目だが、それでも抽選後の51.56%が0G。リプレイやベルからは拝見できたら御前会議で報告してよい薄さである。
現実的な突入口はBIG中強ハズレ1/7516.67とJACハズレ1/16384。どちらも成立すればTRゲーム数を必ず獲得する。プレミアムチャンス目なら5G以上。TCとTRが重なった場合はTRを優先して発動する。
小役確率と払い出し
設定別ベル8枚
通常時はリプレイ1/7.298、3枚チェリー1/256、12枚スイカ1/202.27。8枚ベルだけ設定差があり、設定1・2の1/8.761から設定6の1/8.628までわずかに軽くなる。
通常時の打ち方
チャンス目まで正確に拾うなら、左リール枠上~上段に4番の青7を狙う。
- 青7が枠上に止まったら右リールをフリー打ちし、スイカがテンパイした時だけ中リールにBARを目安にスイカを狙う。小役ハズレはチャンス目またはボーナス。
- 青7が上段に止まったらハサミ打ち。スイカテンパイ時だけ中リールへスイカを狙い、右下がり「青7・リプレイ・リプレイ」ならチャンス目。
- 左リールにチェリーが止まり、右リール中段へボーナス図柄が止まればチェリー解除確定。
小役取得だけなら、左リール中~下段へ「スイカ・BAR・スイカ」のBARを狙い、スイカ停止時のみ中リールにも狙う簡易手順でよい。ただしチャンス目を設定判別に使うなら青7狙い。千円あたりは適当打ち約30.9G、小役狙い約31.2G。必要な時だけ働く。鉄拳Rより人間のほうが状態管理は簡単である。
BIG中の技術介入
BIG中はザコの防具色が成立役を示す。青はJAC IN、黄はベル、赤はチェリー、緑はスイカ、白はハズレ。チェリーとスイカだけ取りこぼさないよう狙う。
初級手順
- 青ナビ時は中・右リールをフリー打ち。
- 左リール枠内に赤7を狙ってJAC INをハズす。
- 残り12Gから最終JAC INを優先する。
上級手順
- 青ナビ時は中リールに「ベル・赤7・ベル」の赤7を狙う。
- 右リールをフリー打ち。
- 左リール枠上~上段にチェリー付き青7を狙う。
- リプレイをハズしながら6枚ベルを取る。
- 残り9Gから最終JAC INを優先する。
ハズシなしの平均は374.17枚、初級381.35枚、上級392.76枚。上級は初級より平均約11.4枚増える。目押しへ支払われる賃金としては控えめだが、当時の山佐様からの御寸志なので謹んで受領してください。
演出、前兆、確定要素
仁、シャオユウ、キングで通常演出が変わる。仁はロウソク、修行、地面叩き。シャオユウはメリーゴーラウンド、パンダのボール、ジェットコースター、プリクラ。キングは腕立て、スクワット、ヘリ、列車止め。メニューからリール配列、ボーナス履歴、確率、BIG中の手順も確認できる。
共通演出は次のとおり。
- マルチルーレット:縦・横・全回転があり、7停止はBIG。数字が揃うとバトル、平八スロット、鉄拳ボウルへ進む
- バトル:最大7G。相手、技、ステージで期待度が変わり、停止ボタンのタイミングで「さばき」が出れば大幅に期待度上昇
- 平八スロット:最大5G。液晶図柄が揃えばボーナス
- 鉄拳ボウル:最大5G。指定ゲーム内に目標本数を倒せばボーナス
- デビルバトル:TR前兆の中心。デビル撃破でボーナス
- BIG中のトゥルーオーガ:TRに期待できるチャンス演出
天井、設定変更、ストック切れ
ゲーム数天井はない。通常解除は毎ゲーム抽選で、深くハマったから規定ゲーム数で必ず放出する仕組みではない。1000Gを越えても、液晶が申し訳なさそうにするだけで保証は何もない。
設定変更後は75%でTC高確0G、25%で76G以上の高確を持つ。内訳は76G6.25%、101G12.5%、151G6.25%。液晶ステージは設定変更だけでは変わらないので、朝の見た目だけで変更判別はできない。
ストック切れ中は放出するボーナスがなく、内部BIG・REGが成立してストックを作るまで実質出現が乱れる。ボーナスを引いたのに出てこないのではなく、放出するストックそのものがない。液晶に土下座しても、ないものはない。
狙い目、ヤメ時、設定判別
狙い目
ゲーム数天井狙いはできない。狙えるのはボーナス後のTC高確、TC潜伏、残ったTCチャンスモードである。TC・TCチャンスモード・TR以外のBIG後は高確が最低51G、REG後は26Gが64.06%。TC・TCチャンスモード・TR経由のボーナス後は26Gが75%なので、何から当たったかで追う長さを変える。
設定変更狙いは25%で76G以上の高確を持つだけ。朝から全台を触るほど強い恩恵ではない。というか1台だろうと朝から打つ台ではない。
ヤメ時
TC・TRと前兆を否定したうえで、効率重視ならTC・TCチャンスモード・TR以外のBIG後101G、REG後76Gが高確振り分けの大半を消化する目安。最大はどちらも151Gなので、高確らしい小役反応、チャンス目、連続演出が続くなら151Gまで見る。
TC・TR経由後は26Gをまず確認し、TC潜伏や残りTCチャンスモードの気配があれば続行。ランプ消灯即ヤメ、ボーナス終了即ヤメのどちらも、内部会議の途中で席を立っている。
チャンス目後はボーナス前兆とTC当選後の最大40G潜伏を見て、40Gを短い実戦目安にする。ただしTC発動抽選に通るまでのTCチャンスモード消化は別なので、40Gで内部可能性が消えるわけではない。TC終了後は残りTCチャンスモードから再度発動する可能性まで含め、80G程度が当時の実戦目安。途中でチャンス目やTC前兆が出たら、そこから改めて判断する。
設定判別
見る順番は次のとおり。
- 通常解除率:設定1・2の1/468.11から設定6の1/372.36まで段階差がある。チャンス目・チェリー・TC・TRを経由せず前兆を伴った放出を数える
- 低確中チャンス目からのTCチャンスモード:奇数1/28.44、設定2・4は1/19.69、設定6は1/14.22
- 状態別TCチャンスモード突入:低確・高確を分けて数える
- 実質BIG・REG:長時間の補助。ストック切れやTC/TRの偏りを受ける
- 通常時ベル:設定1・2の1/8.761から設定6の1/8.628。差が小さく単独では弱い
要は打つべき台ではない。
鉄拳Xとの共通点と相違点
鉄拳R
2004年5月
- 設定1 実質BIG
- 1/299.0
- 設定1 実質REG
- 1/533.0
- シミュレート機械割
- 97.69~107.30%
- 通常解除
- 1/468.11~1/372.36
鉄拳X
2006年10月
- 設定1 実質BIG
- 1/311
- 設定1 実質REG
- 1/553
- シミュレート機械割
- 97.43~106.67%
- 公式の訴求
- TCの連続性を強化
鉄拳Xは2006年10月の別機種。4号機、7ライン、A400ストック、TCとTRの骨格、内部BIG・REG、通常時小役、BIG中技術介入はかなり近い。一方で、実質BIG・REG、通常解除、チャンス目解除、TCの連続性に関わる内部数値は変更されている。
Rの設定1は実質BIG1/299.0・REG1/533.0、Xは1/311・1/553。シミュレート機械割もRが97.69~107.30%、Xが97.43~106.67%で、X公式が売りにしたのは「Rを超える全体出玉」よりTCの連続性強化だった。
Xの記事にある「鉄拳Rより出るみたいなこと言ってるけどどんぐりの背比べ」は、言葉が雑で誠に結構。数値を並べても高設定域まで大差はない。ただし、どんぐり同士だから同じ数値として扱ってよいわけではない。RはR、XはX。山佐は同じ顔で別の苦しみを納品している。
ヤフーオークションにて、鉄拳Rを「隠れた名機★」などと販売している輩がいたが、迷わず通報すべきである。