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#ニューペガサスから吉宗まで
アイジーティー / 4号機

ベガスガール

ベガスガール  筐体パネル
ベガスガール|アイジーティー
額面機械割(取りこぼし前)(設定6)
112.6%
DATA — yamislo 実測・解析値より自動生成

どんな台?

絶対にゲームセンターに入ることなどないだろうが、空前絶後のボッタクリ台。

米国のスロットマシンメーカーIGTの日本法人、IGTジャパンが1993年2月に送り出した日本デビュー作でございます。販売はSANKYOが担当した。4-1号機の純Aタイプ、いわゆるA-400で、1〜3枚掛け、3枚掛け時は5ライン。ストックも連チャンモードも天井もない。ボーナスを引いて、成立役を自力で取り、約400枚を目指すだけの台である。字面だけなら何ひとつ難しくない。

2010年にはIGTが、日本のパチスロ市場から撤退するという朗報が耳に入ったのも懐かしいです。

トリコロールやダイナマイトが出るまでメーカーとしての存在価値は一切なく、
そこがピークでございました。
それ以降、アメリカ人の独自のコネを使った感が満々の
ターミネーター・ハーレーダビッドソン・マリリンモンロー・エイリアン・アダムスファミリー・オースティンパワーズと欧米色一色の台をリリースし続け、やっとヒットしたのが2003年の信長の野望だっていうんだから、我々の愛国心が証明されてしまったわけでございます。
いなくなるべくしていなくなったメーカーであることは歴史が証明しております。

なお、1993年には無印の直後に体感器対策機の「ベガスガールI」、さらに確率を変更した「ベガスガールII」まで存在する。短期間に3型式が並んだため、同じベガスガールでも確率は一種類ではない。本稿では2月登場の無印を扱います。

猟奇的なボーナス確率と機械割

ベガスガール名義で伝わる確率表は2系統ある。下表はBIG 1/371・REG 1/325から始まる系統。BIG・REGは通常時の内部成立確率、機械割は小役とJAC INを取りこぼさない額面値である。

設定BIG確率REG確率額面機械割(取りこぼし前)
11/3711/32583.8%
21/3041/24794.6%
31/3101/23195.6%
41/2961/23196.8%
51/2581/193105.9%
61/2351/203112.6%

もう一系統は設定1から6の順に、BIGが1/372、1/315、1/273、1/273、1/256、1/256、REGが1/315、1/273、1/241、1/228、1/205、1/205。この3型式は短期間に出たうえ、無印・I・IIが混同されてきたため、2系統を各型式へ一意に割り当てるところまではできない。少なくとも「ベガスガールの確率はこの一表だけ」とは言い切れないのである。

ここからさらに6〜8ポイントほど下がる、とまで言われた。

BIGとREGの合算は設定順に約1/173.240、1/136.276、1/132.366、1/129.746、1/110.408、1/108.916。合算だけは上がっていくが、設定2から3でBIGが重くなり、設定5から6でREGが重くなる。ボーナス片方の履歴だけを眺めても設定の序列どおりにはならない。

この鬼人のような機械割をご覧ください。BIG確率なんて大花火やハードボイルド並でございます。
機械割は驚異の設定5からプラス! みてください、設定6より設定5の方がREGを引けるんですよ。
そして設定4までが回収設定というクレイジーぶり。
当時は7枚交換の店なども多かったであろう中で、これは絶対に勝てないギャンブルのできあがりです。

額面から落ちる理由

通常時もBIG中も、すべての小役に取りこぼしがある。
しかもBIG中のJAC INまで目押しを要求し、普通に順押ししても勝手にリプレイハズシになる。
この意地悪制御による小役損失とパンクが、額面の機械割に入っていない。

パンクが多発するDrA7などがありますが、あれとは全く別で、ただの欠陥。

設定1は額面83.8%が実戦上78%級、設定6も112.6%から8ポイントほど落ちるとされた。
パンク発生率や役別の損失値は不明で1枚単位の再計算まではできないが、それほど額面と実戦値の落差が大きかった。

ハナハナスイカverのローの設定1でももうちょっとまともな機械割をたたきますよ。
本気を出せば毎日安定して逆万枚だってできる。
パチスロで負けて領収書が発行できる不思議な世界に生きている人にとって、税金対策にもってこいの台である。

通常時の小役と打ち方

役構成はベル15枚、プラム10枚、オレンジ8枚、チェリー2枚または4枚、バニーガールの足がリプレイ。
小役の設定別成立確率、減算値、小役カウンタを使った判別手順は不明。設定推測材料はBIG・REGの履歴に限られる。

問題は「何を狙えば全部取れるか」ではなく、全役を取りこぼせる配列であること。
チェリーだけフォローして後はリール制御に任せる、という打ち方が通じず、
ひとつの狙い位置で全小役をカバーする固定手順も組めない。
通常時は捨てる役を決めてベル・プラム・オレンジ・チェリー・足を狙い分けるしかない。
フリー打ちなら、どの役でも停止位置次第でこぼす。
適当打ちの損失まで積み上がるから、額面値の時点で辛い台をさらに辛く打てる。

ボーナスが成立すると、上部パネル左右の縦長「777」ランプが点灯する完全告知。
点灯はレバーON直後とする記録とリール回転開始時とする記憶が残るが、
どちらにせよ停止操作より前の先告知だった。点灯後は赤7がBIG、青いBARがREG。
告知が生きているならリーチ目探しよりランプを見る方が早い、というより、そうするしかない。

BIGは足を下段へ揃える作業

BIGは小役ゲーム30GまたはJACゲーム3回で終了するA-400。約400枚は、JAC INと小役をきちんと取れたときの話である。

JAC IN図柄はバニーガールの足。
通常時のリプレイと同じ図柄だが、下段でしか有効に揃わず、3リールとも目押しが必要となっている。
順押しなら勝手に揃う親切設計ではない。JAC INフラグを引いても足を下段へ運べなければ、ただのハズレと遜色ないことになる。3枚減る。

打ち方は小役ゲームの最初から足図柄の下段揃いを最優先。
リプレイハズシで枚数を伸ばす以前に、意図せずハズれてJACゲームそのものを失う台である。
通常小役にも取りこぼし補填はないため、ベル・プラム・オレンジ・チェリーも毎ゲーム目押しする。

1度もJAC INしない「0パン」が珍しくなく、小役もほとんど取れずにマイナスで終わることすらある。
しかも、それが決して稀なことでないのだ。100萬トンもびっくりのマイナスBIGボーナスの出来上がりである。

そして、この台はBIG中に音楽がない。
開始音や払い出し音はしても、BIGを盛り上げるBGMが流れない。
周りから見れば、まさかボーナスを消化しているとも思われない。
足を凝視しながら無音でパンクと戦う。ラスベガスというより工場の検品作業である。

REGは12Gまたは8回入賞で終了。REGにも華やかな演出や技術介入のご褒美はない。成立役をこぼさず取る、それだけでございます。

完全告知なのにランプを抜かれた

ボーナス成立を契機に上部パネル左右の「777」がぼんやり光る。
液晶も予告音もない時代にフラグ告知ランプを備えた先進性だけは本物で、
後年の裁判記録でもベガスガールにフラグ告知ランプが搭載されていたことが確認されている。

ところが当時はモーニング全盛期。
モーニングセットをしている台がすぐにバレてしまうので、
中身の電球がもがれてしまう始末。
唯一のまともな機能を、ホールに並んだ時点で奪われた台があった。

そうなるとボーナス成立察知はリーチ目頼みになるわけですが、
ボーナス成立が確定する停止型が存在しない。
引き込みで察知するしかないのに、その引き込み制御も適当そのもの。
まず気づけない。ボーナスを狙っているとリプレイを取りこぼす始末。

ヤメるときの1枚掛け確認も救済にならない。
1枚掛けでもリプレイフラグは成立し、足が揃わずハズレ目が出る。
完全告知ランプが正常なら非点灯でいつでもヤメられる純Aなのに、電球を抜いた瞬間、最後の1Gまで疑心暗鬼になる。

鬼浜もびっくりのハードの最悪さ

擁護できる点が一つもない仕上がりのハード。ガラスと鉄の塊のような筐体、当時としては幅の広いリール、アメコミ調のバニーガール。
見た目の「アメリカ製です」という圧だけは強い。

この台はMAX BETがなく、1BETボタンを3回押さなくてはいけないのだが、それは全然普通だ。
クランキーコンドルだって、シオサイ30だって同じだ。ただ、この1BETボタンがめちゃくちゃ硬いのだ。

その硬さたるや、表現のしようがない。iPhone 4の手垢で動かなくなって10年放置されたホームボタンより重い。
でもユーザーもバカじゃないので、手でコインを入れればいいと気がつく。

ただ、これにも問題がある。コインセレクタの出来が1号機より悪く、コインを受け付けない。
そしてエラーが起きる。そしてすぐに詰まる。あげく、3枚入れたはずなのに2枚しか受け付けないコイン喰われも多発。
これを考慮した設定1の機械割は、おそらく70%も平気で切ってくるだろう。

ストップボタンの硬さもBETボタンと同じくらいの出来である。難易度としては、爪でSIMカードを取り出すくらいむずかしい。

設定差・狙い目・ヤメ時

設定差として使えるのはBIG・REG確率と、それを反映した額面機械割だけ。
通常時小役、BIG中小役、JAC INの設定差は不明。
減算値判別や小役カウンタ判別の手順も伝わっていない。
設定2より3のBIG、設定5より6のREGが悪いので、片方だけの回数では判別できず、見るならBIG・REGの合算と両方の内訳になる。

設定5でようやく額面105.9%、設定6で112.6%。しかも実戦では取りこぼしとパンクで削られる。
設定4以下を交換率込みで追う理由は薄く、設定5・6でも足を揃えられなければ額面どおりにはならない。

純Aなので天井、ゾーン、モード、ボーナス後の連チャン狙いはない。
完全告知ランプが生きている個体なら、非点灯の通常ゲーム後がそのままヤメ時。
ランプを抜かれた個体では、1枚掛けのハズレ目さえリプレイ取りこぼしと区別できない――これがこの台固有の最悪なオチである。

当時の評価と、その後のIGT

日本の打ち手が嫌ったのは83.8%だけではない。
全役をこぼす配列、順押しでも外れるリプレイ、明確なリーチ目の欠如、硬い操作部、詰まるコインセレクタ、そして体感器攻略を許したセキュリティ。
乱数周期は3.841145秒と記録されている。この穴を塞いだ対策機がベガスガールIだった。ソフトとハードが仲良く全部ダメだった。

導入後は体感器対策のベガスガールI、確率変更のベガスガールIIが短期間に投入された。
それでも同時期には、豊富なリーチ目を持つニューパルサーが登場している。
告知ランプを光らせる以外の面白さを作れなかったベガスガールが話題から消えるのは早かった。
IGTが次の新作トリコロール96を出すまで、約3年空く。

そして旧IGT公式サイトは、ディスコグラフィーからベガスガールの存在を消した。

旧IGT公式サイトのパチスロ機種一覧

なかったことにした。そして日本から旅立った。
もうこないでいいからなー!
俺たちウイニングポストとかいうクソ台を作ったことも忘れてないからなー!

ちなみにIGTはInternational Game Technologyの略。
もともとビデオポーカーなどを作っていた会社で、今はこういうのを作ってますね。

IGTのカジノ向けゲーム画面 IGTのカジノ向けゲーム筐体

マジでこいつらアメリカンギャングかなんかだと思いますわ